(7)パートタイマー(アルバイト)の給与と人事評価について
1日だけのアルバイトの給与(時給)であれば、仕事の内容と報酬額を設定すればよく、昇給や評価のことは考える必要はありません。しかし、例えば毎週3日勤務で長く働く場合などは、給与・人事評価制度をどうするか決める必要があります。
同一労働同一賃金の考え方に頭を悩ませている経営者もいると思いますが、最初にやるべきことは社員もパートタイマーもすべて時給換算してみることです。
パートタイマーの報酬は時給額と勤務時間によって算出していると思います。一方、社員は月給です。月給の社員と時給のパートタイマーを比較するために社員の時給を算出するします。
これは、月給を1か月の所定労働時間で割ればすぐに算出することができます。例えば、基本給や各種手当を含めた月給が30万円で所定労働時間が168時間の場合、時給は約1785円になります。
社員とパートタイマーの給与を比較する時は、このようにそれぞれの時給で比較してください。パートタイマーの昇給(時給のアップ)の際も社員が昇給した額を時給換算して比較、検討するとよいでしょう。
例えば、社員の基本給の昇給額の平均が5000円だとします。そして、1か月の所定労働時間が168時間だとすると、時給に換算すると約30円の昇給となります。
このように社員とパートタイマーの給与や昇給額を比較するためには全員の時給で比較すると分かりやすいです。このような理由で、前述の「基本シミュレーション表」には「時給」の欄もあるのです。
パートタイマーにも目的意識や成長の意識を持って勤務してもらいたいのであれば、人事評価は必要です。パートタイマーの人事評価シートを作る際は、そのパートタイマーと同じ部署の社員の人事評価シートをよりシンプルにした形式が良いです。シンプルでも「これを習得する必要がある、評価項目に対して前よりもパフォーマンスがアップするように頑張ろう」といった気持ちになってくれれば成功です。