良い給与体系を作るために、自社に合った手当を設定することがとても重要になります。
手当は給与制度に意味を持たせたり、公平感を出すなど大きな意味を持ちます。
それでは、世の中にはどのような手当があるか見ていきましょう。
- 役職手当:詳細は後述しました。
- 等級手当:詳細は後述しました。
- 資格手当:会社が設定した資格を有する場合に支給します。
- 技能手当:特別な技能や特に高い業務遂行レベルの場合支給します。管理職には向かない職人タイプなどの場合にも有効です。
- 部門手当:部署間の給与相場を調整します。
- 営業手当:特に営業職の給与相場を高くする場合に支給します(部門手当を同じような考えです)
- 精勤手当(皆勤手当):遅刻や欠勤が多い組織に有効です。
- 地域手当:支店などがある場合、地域別に物価などを考慮して設定します。
- 通勤手当:給与制度とは別の枠でルールを決めます(非課税枠があります)。
- 家族手当:扶養している子供や配偶者に応じて設定します。
- 別居手当(単身赴任手当):転勤により家族と離れて暮らさなければならなくなった場合に支給します。
- 子女教育手当:扶養する子の教育費などを補う目的で支給します(特に海外勤務などの場合)。
- 住宅手当:住宅費用を補助するために支給します。
- 時間外手当、休日出勤手当:実施した場合は、法律に従って支給します。
- 見なし残業手当:実際の残業時間にかかわらず、事前に決められた残業代を支給する制度です。
- 社員紹介手当:社員の紹介により採用した場合に支給します。
- 禁煙手当:健康に気を付ける意味と、喫煙によって業務から離れている時間を考慮するという意味があります(たばこを吸う人の方が労働時間が短いという不公平の是正)。
- 健康診断優秀手当:健康管理が重要であるということを社員に理解してもらう効果があります。
- アニバーサリー手当(本人、家族の誕生日など):帰属意識や愛社精神向上の意味があります。
- 自己啓発手当:体系立てた人材育成制度がない場合に有効です。
- マイカー手当:自分の車を業務に使用する場合に支給します。
- ○○当番手当:一部の人が業務外の仕事をしていて不公平感がある場合は手当を支給して調整します。
- 社長賞、業務改善(提案)賞:手当のルールを設定した場合、簡単に取り消すことはできませんが、給与制度とは別に〇〇賞を設定することが有効となる場合もあります。
以上は、私がこれまでの給与・人事評価制度のコンサルティングで実際に導入した手当の例です。
ビジネスモデルや組織体制、会社の方針によって有効な手当はさまざまなので、どの手当を導入するべきかは、会社によって異なります。
手当は、上手に運用すると
「かゆい所に手が届く便利なもの」になります。
人事評価制度のストーリーを確認しながら自社に合った手当を設定してください。
家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金は
割増賃金(残業代)の計算の基礎に含めない(除外する)ことになっていますが、このことばかり意識して、これらの手当の金額を高くするのはお薦めしません。手当は、ビジネスモデルや経営方針に合ったものにするのが第一です。